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素材辞典

ヨモギ

緑のヨモギの葉を混ぜ込んで作った草餅は、野趣あふれる香りで春の訪れを感じさせてくれます。ヨモギは、草木の芽が萌える季節にいち早く姿を現す大地の恵み。多くの薬効成分が含まれており、洋の東西を問わず「邪気を払うもの」と信じられ、様々に利用されてきました。

濃い緑と高い香りの草餅で春を味わう

うららかな陽光に誘われて、土の中から次々に顔を出す野草たち。春の野山の幸には、いずれも特有のアクや苦みがあり、そのほろ苦さを味わう時に、まさに春の息吹を感じます。そんな野草の中で、お菓子作りに欠かせない素材がヨモギです。草餅や菱餅などの生地の色づけ、香りづけに利用され、鮮やかな緑の色合いと高い香気で、草萌えのまぶしい季節の到来を教えてくれます。ところで、現在では草餅といえばヨモギを使うのが一般ですが、昔は母子草(ははこぐさ)が使われていました。母子草とは春の七草のひとつ、ゴギョウの別名。平安時代に、疫病よけとして母子草を入れた餅を食べる習わしが中国から伝えられたのが草餅の始まりで、けがれを払う3月3日の節句に欠かせないものでした。

ヨモギで邪気を払い健康と幸福を願った

母子草を使った餅からヨモギの草餅に変わった確かな時期は残念ながら不明ですが、ヨモギの持つ香気や味わいの方が日本人の好みに合い、長い歴史の中でいつの間にか入れ代わったようです。日本人とヨモギとのつき合いはずいぶん古く、万葉集では大伴家持が「あやめぐさ 蓬(よもぎ)かづらき 酒みづき(巻18)」と霊力のあるアヤメやヨモギを髪飾りにして酒盛りしたことを詠んでいますし、『枕草子』にも5月の節句にショウブやヨモギを軒にさすことが記されています。母子草と同じように邪気を払うと考えられていたことから、代わりに使われ定着したのでしょう。
普段何気なく口にする草餅ですが、千年もの歴史や、健康と幸福への祈りが込められたものだったことを知ると、より味わいが深くなるような気がします。ちなみに草餅を雛の節句に用いる場合には菱餅にしますが、現在のような3色になったのは明治以降。それ以前は緑のヨモギと白の餅の2色だったそうです。

多様な薬効を持ち民間薬やモグサにも

ヨモギの持つ特有の香気が邪気を払い健康をもたらすと考えたのは、日本人ばかりではありませんでした。古代エジプトやローマ、中世ヨーロッパでも占いや厄よけの儀式などに使われたと伝えられています。このように洋の東西を問わず利用されたのは、実は理由のあることなのです。ヨモギには止血、鎮痛などの薬効があり煎じた葉は民間薬として用いられてきました。お灸のモグサの原料になり、生の葉は打ち身や切り傷の応急手当てに使われました。自然の畏敬を感じさせる薬用植物だからこそ神秘な力も宿ると信じられたのでしょう。

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糯米にもある「銘柄」(ブランド)。ヨモギ摘みに出かけよう −−旬の味と香りを楽しみたいから

お菓子作りには春先のみずみずしい若芽

春、山野や河川敷などに、他に先がけて緑の若芽を見せてくれるヨモギは、キク科の植物。本州以南に広く自生しています。葉には細かい切れ込みがあり、葉裏に灰白色の綿毛が密生しているのが特徴です。繊維が多くて堅いので、お葉子作りに利用する場含は、春先に一斉に出るやわらかい若芽を摘んで使います。数枚の葉が出た頃がちょうど摘み頃で、茎が伸ぴるにつれてだんだんアクが強くなります。夏には草丈が1mほどに伸ぴて葉も勢いよく茂り、秋になると、淡黄色の筒状の小さな花を下向きにたくさんつけます。

摘んだらすぐゆでる使わない分は冷凍保存

摘んできたヨモギは、堅い茎を取り除いて洗い、たっぷりの熱湯でゆでます。この時、重曹を少々加えてゆでると、よりアクが抜けて発色がよくなりますが、なければ入れなくてもかまいません。鮮やかな色になったら冷水に取り、重曹を加えなかった場合は、ここでしっかりとさらしてアク抜きをします。水気を軽く絞り(繊維が堅いので水気を絞りすぎると刻みにくい)包丁で細かく刻みます。すぐ使わない分は、使いやすい量に小分けして冷凍庫ヘ。使う時は自然解凍するか、電子レンジで1分程度加熟してもどします。

ビタミンたっぷりお菓子以外の使い道も

濃い緑の野草ですから、ビタミン、カルシウムがたっぷり。草餅や団子にするだけでは食べきれないほどたくさん摘んだ場合は、汁の実やヨモギ飯、煎じてヨモギ茶などに利用することもできます。また、お灸に使うモグサは、夏に採った葉を乾燥させて臼でつき、葉裏の綿状の毛だけを集めて作ります。


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