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素材辞典

バニラ

馥郁と漂うお菓子特有の甘い香りー。その香りづけに欠かせないのがバニラです。生地やクリームに使われた様々な素材の持つにおいを甘美な芳香に高め、味わいをより深めてくれるお菓子の女神。ラン科の熱帯植物の実を発酵・熟成させた天然、本物の香料の代表格です。

少量でも大きな効果。香りの持つ甘美な魔法

卵黄、ミルク、砂糖にバニラの香りが渾然と溶け合ったカスタードクリーム、プリン、そしてアイスクリーム。その甘くてふくよかな香りは、人の心をうっとりさせる力があるような気がします。しかし、もしバニラがなかったら…。卵のにおいが強く、おいしさまで半減してしまうに違いありません。バニラは、クリームをはじめケーキやクッキーの香りづけにほんのわずか使われるだけですが、お菓子に甘美な芳香を添えて味わいまでも深める、めざましい効果を発揮します。
このパニラは、ラン科の蔓性植物のさや形の実(バニラビーンズ)です。未熟なうちに収穫し、さやが黒変してバニリンという特有の香りの成分が生まれるまで発酵・熟成させたもので、お菓子には、ビーンズや、ビーンズの香りを抽出したエッセンス、オイルが利用されます。

新世界がもたらした美食家を魅了する芳香

バニラの原産地はメキシコからブラジルにかけての中央アメリカ。もとは熱帯林の大木に寄生する野生のランでした。この実は、16世紀にスペイン人によりチョコレートなどと同様のルートでヨーロッパにもたらされました。スペイン人に滅ぼされたアステカ人がチョコレート飲料の風味づけに使っており、その利用法とともに伝えられたといわれています。新世界からの産物はやがてヨーロッパの人びとを熱狂させます。18〜19世紀活躍した美食家ブリヤ・サバランは著書「美味礼賛」で、バニラを「新たな感覚をもたらした」と讃え「バニラの芳香を加えて初めてチョコレートは完全この上なきものになる」とも記しています。
そして19世紀半ば以降、ヨーロッパの人びとによって熱帯諸国で栽培されるようになり、多種多様なお菓子に利用され欠かせないものになっていきます。

時間と労力をかけて栽培する天然の香料

現在のバニラの主産地はマダガスカルやタヒチ。19世紀半ばに人工受粉法が考案されて以来、人の手によって栽培されていますが、そこでは大変な時間と労力が費やされています。まず、バニラの株が花をつけるまでに4〜5年。花が咲くと急いで人工受粉を行い、受粉に成功した花が実をつけるまでに、また1年。収穫した後、さらに発酵・熟成に細心の注意が払われます。万人に好まれ、お菓子の香りイコールバニラを連想してしまうほどポピュラーですが、実はとても贅沢なもの。多量に吸い込むと、ごく弱い麻薬のような作用を及ぼすことがあり、かつては薬用にも使われました。

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バニラの効果的な使い方  −−お菓子の味わいをより深める

天然バニラならではの優しい香りはビーンズで

バニラビーンズは、さやが太く、少し水分があり、15〜20cm程度のものが良質です。クリーム類に使う場合は、さやの中の黒い粒(種子)をナイフでこそげて混ぜたり、ミルクやシロップなどを煮立てる際に、半割りにして種子が自然に流れ出るような状態で香りを移したりします。種子を出して残ったさやや、一度使ったさやも捨てないで再利用してください。乾燥させてフードプロセッサーなどで粉末にし、砂糖とまぜてバニラシュガーを作っておくとよいでしょう。いろいろなお菓子に利用でき、天然バニラならではの優しい香りが楽しめます。

エッセンスとオイルはどう使い分ける?

バニラの香りの香料として手軽に使えるバニラエッセンスとバニラオイル。この二つは、大まかに言うと水溶性香料と油溶性香料の違い。エッセンスは抽出した液をアルコールで薄めた水溶性なので、デリケートで軽い香りが特徴。火を通さない冷菓などに向いています。一方、オイルは、脂肪とアルコールで薄めた油溶性で、水に溶けにくく耐熱性があります。熱しても香りがとばないので、焼き菓子向き。どちらも使う量が多過ぎるとお菓子の風味を損なうので慎重に扱いましょう。

バニラ以外にも多彩 なエッセンスとオイル

バニラ以外の香料では、アーモンドの香りのアーモンドエッセンスやオイルがおなじみ。独特の甘い香りで、ブラン・マンジェや杏仁豆腐に使われます。また、紅茶やコーヒー、レモン、バナナ、イチゴ、メロンなどの香りを抽出、あるいは合成調合したエッセンス(オイル)なども作られています。


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