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神戸からの手紙

生き続ける神戸家具

永田良介商店の家具

神戸は日本における欧風家具の発祥の地。神戸市立博物館には「明治18年7月17日兵庫県福原町・天地徳兵衛」の銘の入った椅子があります。現在判明している日本人の手による最も古い欧風家具です。
明治15年に出版された当時の神戸ガイドブック「豪商神浜湊の魁」にはすでに「西洋大工業」という看板を掲げた家具屋もありました。
歴史の割には一般的知名度は低い「神戸家具」ですが、「手作り、特注、欧風デザイン」の三つの特徴で、今、静かなブームになっているのです。

神戸の洋家具業の多くは、居留地で使われていた洋家具の修理及び古道具としての流通から始まっています。はるばる海を越えてヨーロッパから持ち込んだ家具の修理をしたい外国人の要望と、当時盛んになりつつあって職人が集まっていた造船の技との合体こそ神戸家具を生み出した原点なのです。そこには、和船を造る《曲線加工技術》が生かされています。創業125年を誇る一番の老舗「永田良介商店」も親類の船大工を集めてその業を開始しています。
同じように明治に開港された港の居留地でも、神戸の家具には南回り航路から欧州のデザインと技術が、横浜の家具には太平洋航路を通じてアメリカのデザインと技術が、主として生かされているという違いがあります。しかし、こと家具に関しては横浜に歴史はありません。横浜が東京という政治の求心力に引っ張られてしまったのに対し、政治の中心から離れていた神戸は、同じように居留地文化をもちながらも、独自の文化をもち続けることができたのでしょう。京都、大阪も同じ理由で固有の文化が生き続けたといえるかもしれません。

永田良介商店の家具 永田良介商店の家具(上下共)

3年前の震災では多くの「神戸家具」が修理に出されました。当社がサロン音楽会を共催している、神戸元町一番街にある茶房「あじさい」もそのひとつ。1階に時計店、2階に「あじさい」、3階にチョコレートの「一番舘」が入るこのビルは震災で傾き、建て直されましたが、「あじさい」の家具はまさしく、神戸家具の典型「永田良介商店」の作。建て直しの間にじっくり時間をかけて修理された調度類は、新築成った「あじさい」で多くの元町族の憩いのひとときを見つめています。他の職人技と同じように「神戸家具」も、修理を通して脈々と生き抜いていますが、手作りにこだわる「神戸家具」も技術の伝承を始めとした課題が多々あります。でも多くのファンが先代、または先々代が注文した家具を今も大切に使っているという事実は、これからますます注目されていくのではないでしょうか。

写真協力:永田良介商店


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