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お菓子にまつわるいい話

豊穣なるアーモンド王国

その香ばしいアロマと、カリっと爽快な歯ごたえ。口中に広がるまろやかな風味。まさにナッツの王様と呼ぶにふさわしい魅力に満ちた木の実”アーモンド”。
今回は、世界で一番愛されているナッツであり、また洋菓子作りの素材としてなくてはならないアーモンドの魅力をひもときます。

旧約聖書にも登場、聖なる木の実「アメンドウ」

バラ科に属する落葉果樹の木の実であるアーモンドは、西アジアを原産地とし、有史以前にヨーロッパ、北アフリカへと伝播。約4000年前から人々の手によって栽培され始めました。
その歴史の古さを物語るものとして、アーモンドにはいくつもの逸話が残されています。例えぱギリシャ神話。ある時、セラスの王女がギリシャの英雄デモフォと恋に落ちました。ところが、王女に会うため船に乗ったデモフォは航海の途中で遭難し、帰らぬ人に。一方、王女はいつまでも浜辺でデモフォを待ち続けて泣き明かし、とうとうそのまま果ててしまいました。それから数日たったある日、不思議なことに王女の涙の跡から一本の樹木が生え、やがて花をつけ、実を結びました。その実は、何と王女の涙の滴と同じ美しいドロップ形だった…という悲しい恋物語。
また旧約聖書の物語にもアーモンドは「アメンドウ」の名でたぴたぴ登場。まるで枯れたような樹に突然美しい花が咲き、豊かに実を結ぶというその神秘的な性質が、キリストの復活をイメージさせたためでしょう。その影響か、中世ヨーロッパの美術でキリストや聖母マリアを描く際には、必ずといっていいほどアーモンド形の天空がその背景に描かれています。

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次世代へのメッセージが詰まった生命の源

アーモンドは春先に桜に似たピンク色がかった白い花を咲かせ、夏ごろには枝いっぱいに実をつけます。そして9月になり、その実がパカッと割れて中の種が顔を出すと、いよいよ収穫どき。昔は棒で揺すって実を落としていたそうですが、今では樹の幹に機械をあてがい、ブルブルと振動させて落とすのだそうです。
普段、私たちがアーモンドとして食べているのはこの種かと思いきや、さにあらず。固い種の殻の中に隠れている仁がアーモンドの正体。もともと種子の中の仁は、次世代のために必要な遺伝情報や栄養がいっぱいつまった生命の源。もちろん、アーモンドもさまざまな栄養素が豊富に含まれています。  実際のところ、アーモンドにはカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛といったミネラルがバランス良く含まれ、また食物繊維もナッツ類の中では特に豊富です。さらに、あらゆる細胞の老化を防止するビタミンEがたいへん多く含まれることや、脂肪分の約7割が悪玉コレステロールを抑制するオレイン酸であることも特徴的です。そのため、最近では脳梗塞や老人性痴呆、また各種の成人病の予防に役立つ食品として注目されています。

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美味なる「甘いアーモンド」と香り豊かな「苦いアーモンド」

スペイン、ギリシヤ、イタリア、モロッコ、トルコなど地中海沿岸の国々で盛んに栽培されていたアーモンドは、18世紀にスペインの宣教師によってアメリカ大陸へと運ぱれました。新大陸でのアーモンド栽培は、カリフォルニアの明るい太陽と肥沃な大地、カラリとした海洋性気候に助けられ、瞬く間に急成長。後の農業技術の機械化によって、20世紀後半には世界最大の産地へと発展を遂げています。現在では世界生産量の約70%がカリフォルニア産です。
ところで、今世界で生産されているアーモンドは大きく2つに分類することができます。私たちが普段、お菓子作りや料理に使用するのは、大粒で種子の中の仁が甘い「甘仁種(かんじんしゅ)」。また小粒で仁が苦く、食用には適さないのが「苦仁種(くじんしゅ)」。苦仁種はアーモンドの香りのもとであるアミダグリンが豊富に含まれるため、アーモンドエッセンスの原料にされる他、中国では鎮咳薬としても用いられます。
また、食用の甘仁種にはさらにいろいろな品種がありますが、最もポピュラーなのが「カリフォルニア産ノンパレル種」。日本で用いられるアーモンドの80%以上がこれにあたります。他に、こだわりの洋菓子専門店などでは、味と香りの調和に優れたアーモンドの原木「スペイン産カ−メル種」などを用いる店もしばしぱ。はるばる海を越えてやって来たアーモンドは、ローストホール、ローストクラッシユ、スライス、プードル、ペ−ストなどさまざまな形に加工され、やがて美味なる菓子へと変身していくのです。

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まろやかで豊潤な風味を味わう菓子
マカロン・ドゥ・ナンシー、カリソン・ディクス、フィナンシェ

きめ細やかなアーモンド・プードルは、お菓子にまろやかで豊潤な風味を与える魔法の粉。17世紀の昔からロレーヌ地方で修道女たちによって作られていた素朴な焼き菓子「マカロン・ドゥ・ナンシ−」。キリスト教のミサの際、祝福の印として与えられたプロヴァンス地方の小さな練り菓子「カリソン・ ディクス」。”財産”というその名のごとく、金の延べ板の形をしたバターの香り高い焼き菓子「フィナンシェ」。
いずれも、”タネに練り込む”という形で、アーモンドのリッチな風味や、しっとり柔らかな食感を醸し出すフランスの伝統菓子です。

マカロン・ドゥ・ナンシー(右)チュイル(左) アーモンドの香ばしさを楽しむ焼き菓子の
マカロン・ドゥ・ナンシー(右)チュイル(左)

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香ばしさと歯ごたえを楽しむ菓子
プラリーヌ、キャレ・アルザシアン、チュイル

また、アーモンドを粒ごとカリッと噛んだ時の感触と香ぱしさは、このナッツが持つもう一つの魅力。その魅力を生かした代表作「プラリーヌ」は、17世紀、ルイ13世時代のフランスで、ある公爵の下働きの少年が、お菓子の飾りに使いカラメルの残りをアーモンドにつけてつまみ食いしていたところから誕生したボンボン。また、パイ生地の上にカラメルで練ったスライスアーモンドをのせ、ジャムをサンドした「キャレ・アルザシアン、クッキー生地にスライスアーモンドを加え、レースのように薄く焼き上げた「チュイル」なども、同様のフレッシュな歯ごたえとアーモンド独特の芳ばしいアロマに満ちたお菓子です。

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