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お菓子にまつわるいい話

結婚式のお菓子

【 記念日のお菓子 その1 】

人と人の出会いから始まる、いくつもの忘れがたい物語。それぞれの想い出のシーンの中にきらりと輝くかけがえのない一瞬を、そして永遠なる絆を深く心に刻むため、人々は記念日を祝う。新しいテーマは、人生の中のさまざまな節目や旅立ちを彩る『記念日のお菓子』です。その第1回目にあたる今回は、「結婚式のお菓子」にまつわる華麗でロマンチックなお話から始まります。

ウエディングケーキの秘密

そのルーツはなんと「山積みのスコーン」だった

幾重にも高く積み上げられた純白のシュガーケーキに、ゆっくりと、おごそかにナイフを入れる新郎と新婦。ウエディングケーキの入刀は、今や披露宴のクライマックスになくてはならない、大切なシーンのひとつです。こうした披露宴でのケーキカットが日本で一般的になりはじめたのは昭和22年ごろ。わが国ではまだまだ新しい習慣です。しかし、本場ヨーロッパでの歴史をひもといてみると、結婚式とケーキの関わりは意外に古いものであることがわかります。その始まりは、生命力や生産力を象徴する小麦を花嫁の頭にかけて子宝に恵まれるように願った古代ローマの風習からといわれ、紀元前100年ごろには小麦粉を小さなケーキとして焼き上げ、花嫁の頭上で砕いて食べる風習が生まれていたようです。さらに中世のイギリスでは、結婚式の招待客がスコーンやビスケットを焼いて持ち寄り、それを一カ所に高く積み上げて飾る習慣へと発展。その山が高けれぱ高いほど二人の将来は豊かになると信じられていました。まだ、そのスコーンの山の上で新郎新婦がキスをする儀式が行われていたため、その名残として現在もウエディングケーキの上にカップルの人形が載っているのだそうです。  ところが17世紀になって、フランスのシャルル王朝に仕える一人の科理人がロンドンを訪れ、このスコーンの山に遭遇。ひとつのアイデアを思いつきました。『バラバラのスコーンを苦労して積み上げるより、はじめから砂糖で固めた菓子の山を作ってはどうだろう?』。彼のこのユニークな発想から、ウエディングケーキのルーツとも言える、砂糖でコーティングされた高い塔の形をした菓子が誕生したのです。

「教会の塔」をお手本により高く、より美しく

ウエディングケーキ

「フランス人が考案してイギリス人が育てた」と言われるウエディングケーキは、18世紀になるとロンドンの菓子職人ウイリアム・リッチによって新たな展開を見せはじめます。リッチは、毎日店から眺めていたセント・ブライド教会の塔の形をヒントに、柱(ピラー)を使って丸型のフルーツケーキを何段にも積み上げることを考案。そのスタイルはまたたくまにロンドン中の大評判となり、結婚式のお菓子の定番としての地位を獲得するに至りました。さらに時は流れ、その技術が洗練の極みに達した19世紀には、ヴィクトリア女王のロイヤル・ウエディングケーキにも採用され、世界にその技法が知られるきっかけとなります。三段重ねのシュガーケーキに、咲き誇るバラと緻密な唐草模様の豪華な装飾。という今でもよく見かけるスタイルは、当時からの伝統をそのまま受け継いだもの。ちなみにバラは花言葉「愛」に由来し人々への祝福を、またギリシア時代から受け継がれた唐草模様は未来の繁栄をそれぞれ象徴するものだといわれています。

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ふたりに似合う、おめでたいお菓子

ヨーロッパのドラジェに日本の紅白饅頭

紅白まんじゅう

結婚式といえぱ引き出物。引き出物といえぱ最近ではお菓子がよく用いられますが、もとはといえぱ家の主が馬を庭に引き出して賓客への贈り物にしたことに由来しています。そこから、宴席の膳に添えて出す客への土産物、または広く一般に接待客への贈り物のことを「引き出物」というようになったのだそうです。日本古来の引き出物菓子の代表は言わずと知れた紅白饅頭ですが、ヨーロッパの結婚式で引き出物といえぱさしずめドラジェといったところでしょう。こちらは、アーモンドを一粒一粒きれいなパステルカラーの砂糖衣でくるんだ宝石のように美しいお菓子。1本の木にたわわに実をつけるアーモンドが象徴する、多産と豊饒のイメージから緒婚式に用いられるようになったのだとか。紀元前177年にはすでに、ローマの貴族ファビウス家で結婚や子供が誕生した時の祝儀として、市民にドラジェを配っていたという記録が残っているほどその歴史は古いものです。13世紀以降のフランス貴族社会でもこのお菓子は大流行し、その時代に「愛するものどうしがお菓子を贈り合う」という習憤も生まれたと伝えられます。今でもヨーロッパでは誕生日や結婚式、婚約式(フィアンサイユ)、またカトリックの洗礼式(バプティーム)などのお祝い事やその他一般の贈り物としてドラジェは欠かすことのできないもの。そんな長い歴史と広い用途からも、まさに日本の紅白饅頭に匹敵する存在だということがわかります。

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スイートに祝いたい結婚記念日

一周年には”一番上のケーキ”でお祝い

先ほどお話した三段重ねのウエディングケーキには、一段ごとにそれぞれ意味があるのだそうです。一番上は式の後も置いておいて、結婚一周年または赤ちゃん誕生の時に二人で食べるもの、そして二段目は式に来られなかった人に、一番下は出席者に配り、その幸せと喜びをみんなで分かち合うというもの。なるほど、結婚1年目の初々しいカップルが、冷凍庫から出してきた記念のケーキにろうそくをともし、二人きりで結婚記念日をお祝いする様子は、何ともほほえましい風景です。見知らぬふたりが白紙の状態から結婚生活をスタートし、次第に人としての輝きを増す。そんな夫婦の絆を祝う結婚記念日が始まったのは19世紀のイギリスでのこと。日本ではそれより少し遅れて、明治天皇と皇后が銀婚式をお祝いされたことから一般にも広まりました。

銀婚式・金婚式は「二度目の結婚式」

記念日には、その年数の名称にちなんだプレゼントを夫から妻に贈り、家族で小さなパーティーを催すのが各国共通のならわしです。ちなみにアメリカでは結婚1年目から15年目までを毎年祝い、それ以降は5年ごとに祝う習憤になっています。中でも25年目の銀婚式、50年目の金婚式は特別なもの。一カ月前から計画して盛大なパーティーを開きます。会場の予約、ゲストのリストアップ、招待状の発送という準備から始まり、当日は教会で誓いの言葉を交換。さらにその後のパーテイーでも、フルコースの食事、ダンスパーティー、記念のケーキ・カットと、まるで”第二の結婚式”といわんぱかりのにぎやかさで、長年連れ添った二人の人生の節目をお祝いするのです。

  • 参考文献
  • 「フランス菓子の傾向・市場からの菓子」
  • 「フランス伝統菓子」(中央公論社)
  • 「生活ごよみ・春」(講談社)

1年目 紙婚式

ペーパーウエディングとも呼ばれる。白紙の状態から結婚生活がスタートしたばかり

2年目 綿婚式

藁(わら)婚式とも呼ばれる。まだ絆が固まっていないながらもしっかりと結ばれていく時。

3年目 菓婚式

革婚式とも呼ばれる。ようやく家庭としての基盤ができ、花が実を結ぶ頃。

5年目 木婚式

ふたりの絆が1本の大きな木のようになり、やっと夫婦らしくなってくる時期。

10年目 錫(すず)婚式

アルミニウム婚式ともいう。夫婦としての落ち着いた関係を築きはじめる過程。

25年目 銀婚式

子供たちも巣立っていき、これからが夫婦ふたりの時代。いぶし銀のような関係へと熟していく時。

50年目 金婚式

夫婦としての長い歴史と、さまざまな問題を乗り越えた自信にあふれ、人として黄金のように輝く時代。


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